シロウトに相続税の申告書作成は可能なのか

相続税の申告書を、経理の知識・経験はもとよりエクセルのスキルもろくに持ち合わせていなかったシロウトが8か月をかけて作成し、所轄の税務署へ提出。その経験をとおして知ったことや感じたことを綴るブログ。

【評価方法】一般的な投資信託の評価額を算出する

 

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この記事では、亡くなった方(被相続人)が投資信託保有していた場合にそれらを評価する方法について書いています。

 

投資信託には、3種類の評価方法が設けられているのですが、この記事では「一般的な投資信託」の評価額を出す場合について取り上げたいと思います。

 

 

ここでいう「一般的な投資信託」とは 

・日々決済型の投資信託MRFや外貨MMFなど)ではない

・上場されている投資信託ETFなど)ではない

 投資信託のことです。

 

  

 

CONTENTS

 

 

 

投資信託の評価方法

 

被相続人が持っていた財産のなかに投資信託がある場合、これらについても国税庁が定めている評価方法を用いて評価額を出します。

No.4644 貸付信託・証券投資信託の評価|国税庁  

 

 

相続税の申告のために投資信託の評価額を出すときには、その投資信託が以下のどれにあてはまるかを調べ、該当する評価方法を用いて額を出します。

 

① 日々決済型の投資信託の場合(MRFMMF中期国債ファンドなど)

② 上場されている投資信託の場合(ETFなど)

③ (上記以外の)一般的な投資信託の場合 

 

 

これらの見分け方については、こちら   の記事で触れています。

ここでは、③について見ていきます。

 

 

一般的な投資信託は、この式で評価額を出す

 

被相続人保有していた投資信託が、日々決算型でも上場しているものでもない、一般的な投資信託だと確認できたら、次の式で評価額を出していきます。

  

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https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4644.htm より

 

上記の式では「課税時期の1口当たりの基準価額」と書いてあります。が、実際は、基準価額は1万口あたりのものが公表されていることが多いようです。

評価額を出す際には、「1口当たりの」を「1万口当たりの」と読みかえて計算します。

 

 

基準価額はどうやって調べるか

 

基準価額は、被相続人の死亡年月日のものを使います。

残高証明書を取得しておくと、死亡年月日の基準価額や口数を記載してもらえる(ことが多い)ので便利です。

 

しかし、投資信託の販売会社によっては、死亡年月日時点で保有している投資信託の名称と口数は証明を出せるけれど、基準価額などを掲載することはできない、としているところもあるようです。

 

もし残高証明書に記載してもらえなかった場合には、次の方法で基準価額を調べます。

 

 

(例)

2019年6月20日に亡くなった方が、楽天証券で「楽天・全米株式インデックス・ファンド」を100,000口保有している場合

 

  上の例を「Yahoo! ファイナンス」で調べる方法

楽天・全米株式インデックス・ファンド【9I312179】/投資信託 - Yahoo!ファイナンス

 

 

yahoo! ファイナンスのページ上部にある検索窓に、投資証券の名前(この場合は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」)を入力し、「株価検索」ボタンを押す

 

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② 検索結果が表示される。「楽天・全米株式インデックス・ファンド」をクリック。

 

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③ 「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の銘柄名の下にある「時系列」タブをクリックする

 

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④ 該当する年月日の基準価額を調べる

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上記から、

2019年6月20日の基準価額 → 11,232円

ということがわかります。 

 

 

源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額、とは?

 

投資信託を解約(売却)したとき、税金がかかることがあります。

売却益が出たときです。

 

非常にざっくりとした表現で恐縮ですが…

売ったときの金額が、買ったときの金額(や手数料)よりも大きければ、その差額(利益)分に対して税金がかかります。

 

 

さきほどの、投資信託の評価額を計算する式ですが、

 

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「課税時期において解約請求等した場合に源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額」については、

源泉徴収されるべき所得税がかかるのか、かからないのか

・もし課税されるのであれば、税額はいくらなのか

を確かめていきます。

 

 

そのためには、もう一つ、調べる必要がある価額があります。

「1口当たりの(1万口当たりの)取得単価」です。

 

 

投資信託の評価額は、

被相続人保有していた投資信託を、もし、死亡年月日の時点で解約していたとしたならば、いくらになるか

という仮定に基づいて額を計算します。

 

 

で、「源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額」というのは、投資信託を売却したときに、譲渡所得があったら、その額にかかる所得税の金額。

 

譲渡所得に、税額 20.315% (所得税15.315% + 住民税5%)をかけた額が、課税される金額です。

 

 

死亡年月日時点での基準価額 × 口数       …A

1口当たりの(1万口当たりの)取得単価 × 口数 + 手数料等  …B

 

 

とすると、( A − B )が「譲渡所得」の金額になります。 

 

したがって、「源泉徴収されるべき所得税の額に相当する金額」は、

譲渡所得( A − B ) × 0.20315(20.315%)

 

 

信託財産留保額を差し引く

 

投資信託の評価額については、譲渡所得にかかる所得税に加えて、「信託財産留保額及び解約手数料(消費税額に相当する額を含む)」も差し引くことができます。

 

信託財産留保額は、投資信託を解約するときにかかる手数料の一つです。

基準価額を調べたときと同様に、Yahoo! ファイナンスや証券会社のサイトで投資信託名を検索すると、信託財産留保額が設定されている場合には、欄があって額が記載されていると思います。

 

 

さきほどの「楽天・全米株式インデックス・ファンド」なら、「---」と記載されているので、信託財産留保額はかからない(0円)ということになります。

投資信託留保額がかからない投資信託もあるようです)

 

もし、投資信託留保額のほかに、販売会社への「解約手数料」がある場合には、その額も差し引きします。

 

 

とにもかくにも、残高証明書を

 

ここまで、相続した投資信託の評価方法についてみてきました。

計算方法がほんとうにヤヤコシイ。

 

より確実に評価額を出すためにも、残高証明書の入手が超重要です。

 

相続税の申告のために残高証明書が必要

・相続開始日(被相続人の死亡年月日)時点でのものが必要

源泉徴収額や信託財産留保額、解約手数料などがかかるか、

 もしかかるならいくらになるか

 (できれば残高証明書に合わせて記載をしてほしいが、可能か)

 

などを、被相続人保有していた投資信託の販売会社へ、残高証明書の発行を依頼するときに、確認することをおすすめします。

 

 

 

 

 

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